アルバリーニョ遅摘み2022
◆アルバリーニョ◆
山形県では初めて栽培醸造したスペイン原産の品種です。
湿潤な気候風土でも耐病性があり、糖度・酸度ともに他の品種より安定して高水準な事から、園主の木村が2011年頃から着々と拡大してきた期待の品種です。
現在(2023.11)は合計で約2.2㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。礫の多い赤土が主体の3枚の畑からは、今後アルバリーニョだけで約12,000本以上の醸造を目標にしています。
白桃やレモンティーの様なハッキリとした香りと厚みのある酸味が特徴のワインが生まれ、
【かみのやま産アルバリーニョ】は山形や日本の食文化に大きなインパクトを残すようになるでしょう。
2021 レビュー
Technical data ・・・・・・・・・・・・・・
品種構成 | アルバリーニョ93% |
プティマンサン7% | |
収穫日 | 2022年10/20、11/22、 |
畑 | 大門畑、原口畑 |
アルコール度数 | 13.1%vol. |
総酸度 | 6.0g/L |
pH | 3.40 |
樽比率 | 35%(新樽30%) |
生産本数 | 1398本 |
クロージャー | DIAM10 |
瓶詰日 | 2023年6月16日 |
発売開始日 | 2024年1月9日 |
Wine Story ・・・・・・・・・・・・・・・・
1stリリースから4年目のアルバリーニョ2022は合計8トンの収量で国内ではトップクラスの生産量になりました。2.2㏊の畑に対し9月中旬~11月中旬の2カ月に及ぶ収穫時期の柔軟性こそが、上山のアルバリーニョの有利な点でしょう。非常に稀なアルバリーニョ遅摘みはフレッシュでクリスプな酸を活かしたレギュラーワインと比較し、限界まで収穫時期を延ばすことで達成されるユニークで甘美な芳香性をもっています。2021年の収穫はイレギュラーも重なり遅くなりましたが、私達は重要なヒントを見つけました。十二支節気の寒露の頃、早朝のブドウは朝露に濡れ、陽が高くなるにつれて吹く冷たく乾燥した風はブドウを乾かします。この湿気と乾燥を繰り返しながら12~25度の温度帯は、まさに貴腐菌(灰カビ)に最適な条件となりました。斯くして私達のアルバリーニョは貴腐が付いたブドウも混じりながら発酵させる事で独特のフレーバーを感じさせます。遅摘みの引き換えに弱まった酸味をプティマンサンで補う事も【らしさ】を感じていただける事でしょう。フルボデイかつ芳香性豊かに感覚を刺激する、沢山の方に知って頂きたい【かみのやまの宝石】。
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
例年より熟度の進みが遅く、10/20に収穫されたアルバリーニョに貴腐は見られませんでした。もう少し粘ってみたいが、さすがに雨除けなしにどこまで引っ張れるかは未知数でした。既に十分な収穫量があった事もあり、一縷の望みにかけて凡そ1トン程度を畑に残しました。結局、最後の収穫日はなんとプティマンサンと同じ日の11/22、良い夫婦の日。貴腐が付いた房が大半となり、知らない人が見たらゾッとするかもしれない見た目でした。(プティマンサンはつるつるピカピカ) 醸造は全房プレス後にデブルバージュし、タンク発酵と新樽発酵に分けました。酵母はそれぞれ分けて管理しています。発酵が緩慢になったところで一度すべてをブレンドしています。既に完了していた10/20収穫のアルバリーニョをブレンドしながら、最後にプティマンサンをブレンドして完了!のはずでしたが…中々味わいがまとまらずに瓶詰めの予定日が段々と後ろにずれました。気が付けばMLFまで完了し、お陰様で亜硫酸の使用量も大幅に減らすことが出来ました。(総合亜硫酸48ppm含有)ひょんなことからMWの方にもアドバイスを頂けたので、次回はさらにパワーアップするでしょう。