アルバリーニョ2023
[アルバリーニョ]
現在、日本ワインシーンで一番注目度の高い品種がスペイン原産のアルバリーニョでしょう。
品種特有の芳香、風味が印象的で、かつ耐病性に優れる救世主として栽培事例が増え続けています。
いち早く魅力に気付いた園主木村は山形では先進的に取り組み2020年にファーストリリースを行いました。
現在(2022.9)は東北では最大規模となる約2.1㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。礫の多い赤土からは熟した黄桃、蜂蜜レモン、マルメロ、の様な圧倒的なまでの熟度を感じさせるブドウが実ります。
今後生産が安定してくれば、収穫時期の違いや醸造方法の違いで、様々なアルバリーニョが生まれる事でしょう。
生まれながらに情熱的な血が流れるアルバリーニョからは、【燦燦と輝く真夏の太陽】を想起させるワインを目指します。
2023レビュー
Technical data ・・・・・・・・・・・・・・
品種構成 アルバリーニョ 100%
収穫日 9/13、9/22、9/30
畑 大門畑(樹齢7年)、高台畑(樹齢6年)
アルコール度数13.3%vol.
総酸度4.2g/LpH3.8
樽比率0%
生産本数4318本
クロージャーコルク(DIAM5)
瓶詰日2024年4月27日
発売開始日2024年6月10日
Wine Story ・・・・・・・・・・・・・・・・
2023年の燦燦とした太陽を一身に受ける事で2022年とは対照的な味わいになりました。これまでの最速である9/13から収穫がスタート。その後に収穫された区画からは完熟したアルバリーニョが多く、既に果汁から熟した匂いが。熟度が違う4種類の原酒をそれぞれ発酵させ、最終的にブレンドする事でバランスを取っています。今まで見たことが無いような酸度で一般的には補酸の必要に迫られますが、【VTに無いものを無理に求めない】私達なりの矜持で、須らく補酸は行いません。醸す側の理想像に近づけるエゴが出なくもないですが…2023VTの持つ【異常な暑さ】という特徴を表現できたことに安心しています。
黄色みが強く粘性もある濃厚な雰囲気、まるで沢山の柑橘類やスイカズラ、完熟した桃とマンゴーを凝縮させたようなフローラルで豊富なエキスに、果皮由来の苦味の爽やかさがアクセント。よく冷やしてお楽しみください。
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
収穫時期と区画の異なる4種類の原酒から構成されています。例年よりも早い収穫時期でしたが熟度は高かったため今回はスキンコンタクトを採用せずに、すべて全房プレスを行っています。デブルバージュの程度、発酵温度、酵母、の違いで酒質のキャラクターを確立させた後でブレンドする事で、一辺倒には感じさせない複雑さがあります。あくまで単一品種の単一年度のみで構成し、VTと品種の個性を鮮明に感じさせるよう努めています。ブレンド後は少ない酸度をMLFから守るように亜硫酸添加と低温管理を行い、約6カ月のあいだ細かい澱と一緒にタンク貯蔵しています。瓶詰め前に澱引きし、亜硫酸を添加後に無濾過で瓶詰めしています。香りにも味わいにも熟した印象が強く発現されていたので、少しでもフレッシュ感を付与するために溶存ガスを高めに設定して瓶詰めしました。瓶詰め直後の2024.12頃まではピリッとした口当たりを感じさせます。よく冷やして飲んだほうが香りと味わいがタイトになり、丁度良く飲めるでしょう。