ピノ・ノワール2020
[ピノ・ノワール ]
世界的にも人気な品種ですが、栽培の難しさから土地を選ぶ品種と呼ばれています。
ピノの魅力に取りつかれた人は【Pinot・Lover】となり、園主木村もその一人です。
現在(2021.4)は約0.4㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。礫の多い赤土が主体の植ノ山畑に2種類の
ピノ・ノワールを栽培しています。上山の気候風土に合うよう毎年栽培の工夫を重ね、完璧に熟した年だけが赤ワインとして醸造されます。また私達のスパークリングワインのブレンドの要として、この品種はワイナリー開業以来ずっと使用されています。【かみのやま産ピノ・ノワール】の最も活かされる方法をヴィンテージごとの特徴と共に柔軟に対応できるのが、大きな魅力と言えるでしょう。
2020レビュー
2019レビュー
Technical data ・・・・・・・・・・・・・・
品種構成 |
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収穫日 | 2020年9月14日 | |
畑 | 植ノ山畑 | |
アルコール度数 | 11.5%vol. | |
総酸度 | 4.5g/L | |
pH | 3.90 | |
樽比率 | 100%(新樽0%) | |
生産本数 | 1412本 | |
クロージャー | DIAM10 | |
瓶詰日 | 2021年5月18日 | |
発売開始日 | 2023年5月 |
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
状況が一変したVTだった。ウッディの栽培品種の中で最も病害に脆弱なピノが健全な状態で過去最高の収穫量に恵まれた。理由の一つにサイドレスのハウスを樹上に設置する事で、雨を完全にシャットアウトできたところにある。私達は19VTが過去最高と言っておきながら、あっさり次年度に更新してしまったのだ。翌年以降、問題は更に難易度を上げて押し寄せてくるが… 健全かつ黒々としたピノを活かすべく、前年の醸造をそのまま踏襲しつつ改良を加えた。日本を代表する著名なワイナリーの方が、とある記事で【ピノは色のついた白ワイン】と表現していた。当初は、何のことか理解が及ばなかった。今でも解釈に自信は無いが、果皮の扱い方、浸漬時間、温度、プレス、貯酒状況と亜硫酸管理は白品種を扱うがごとく、繊細なコントロールを意識している。 グラスの縁にはエンジ色が見え始めるが、短いグラデーションで赤黒くなる。まだ香りは閉じ気味だが焦ってはいけない。抜栓から注意深く酸素を供給して欲しい。直ぐにブラックベリーやプラムの香り、甘さを伴う和柑橘のコンフィチュール、秋の落葉樹の森林で嗅ぐ香り、仄かにバニラや丁子の樽由来のスパイスが混然として収納されている。 |
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
2020VTの上山は秋雨の影響も少なく台風が来なかった。早熟系のピノにとって、これ以上無い気象条件が揃った事。また20VTからサイドレスハウスの設置を行い完全に雨の影響を防いだ事が功を奏した結果となり、過去最も熟度の高い状態で収穫できました。選果しながら収穫され、最も熟度の高い品質のピノを一晩冷却後に除梗し破砕無しでタンクへ仕込んでいます。酵母添加はせずに4日間は7~10度の低温を維持しながら、徐々に品温が上昇していくのを自然に任せています。5日目には顕著なエステルが発生し、ポンプオーバーを行いながら、品温を上昇させています。発酵最盛期の品温は34℃付近まで上昇しながら半日ほどで温度を下げ始め、仕込み開始から14日目にプレスを行っています。FREE区分とPress区分は別々の古樽で貯蔵管理し、年内には樽内でMLFは完了しました。酸度が少なく元々柔らかい酒質だったので、約7か月後の翌春5月には樽から出してブレンドを行いました。瓶詰め前に亜硫酸を15ppm追加し、合計の亜硫酸量は30ppm以下という極めて少ない数値です。保管は涼しい所を徹底してください。 |
¥4,180価格
消費税込み