プティ・マンサン ドゥミセック2020
[プティマンサン]
私達の管理する畑で、最も早く萌芽し、最も遅く収穫される品種が最晩熟品種プティマンサンです。
小ぶりの房にバラバラと小さい粒が実り、皮が厚いために果汁の取得率は恐ろしく低い栽培家泣かせでありながら、笑ってしまうほど糖度と酸度が高いのが特徴です。
現在は約0.7㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。水捌けのよい黒土からは熟したパイナップル、パッションフルーツなどの南国果実を感じさせる熟度の高いブドウが実ります。
高貴な香りの輪唱に包まれるワインには他を圧倒する魅力が在ります。
また異なるブドウ品種との親和性も高く、少しブレンドするだけでワインの重厚感が増します。
ここ上山にしかできないワインの中核をなす品種となる確信を得たことから、今後プティマンサンの植栽面積を増やしていきます。
私達はプティマンサンを通して、
四季折々の魅力を放つ【威風堂々とした蔵王連峰】のようなワインを目指します。
2020レビュー
Technical data ・・・・・・・・・・・・・・
品種構成 | プティ・マンサン100% |
収穫日 | 2020年10月1日、11月17日 |
畑 | 原口畑 |
アルコール度数 | 14.5%vol. |
総酸度 | 7.0g/L |
pH | 3.50 |
残糖度 | 8.2g/L |
樽比率 | 100%(新樽25%) |
生産本数 | 1146本 |
クロージャー | DIAM10 |
瓶詰日 | 2022年5月23日 |
発売開始日 | 2023年5月 |
Wine Story ・・・・・・・・・・・・・・・・
11月の上山には【蔵王おろし】と呼ばれる寒風が市中に吹きすさぶ。この特性を活かして古来より干し柿の生産が風土に根付いてきた。いま、私達はプティマンサンへ応用している。 朝晩の零下、乾燥した冷たい風に晒される過酷な状況まで待つことでブドウの水分は抜けはじめ、風味が一層と凝縮される。ここまで待つと果実の重量は減り、プレスをしても思うように果汁が出てこず時間が掛かる。ワイナリー全体に広がる甘く感じさせる芳香は、こらから生まれてくるワインへ否応なく期待を感じさせる。ここまで粘る価値は、ワインを飲んだ者にしか伝わらないのだ。 グラスに注げば沢山のエキゾチックフルーツ(パイナップル、パッションフルーツ、マンゴー)へ、磯を感じさせるヨード香のニュアンスとイースト、乳清と発酵条件を物語る風味。甘みを際立たせる蜂蜜や花の蜜の様な香り。そこへ存在感をコントロールされたバニラやウッディなスパイスのヒントが加わります。厚みのある酸味がある事でアルコールの高さも、僅かな残糖度も全てが統合され、長い長い余韻は遅摘みのブドウのみが醸しだせる極致です。 |
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
9〜10月の天候が安定した2020年。プティマンサンの収穫時期を10月初旬、中旬、11月中旬と比較した年です。収穫後は全房で搾汁し、果汁は速やかに樽へ移動しています。Brix糖度は25を上回り、phも低く、酸度が高い。さらに12月になろうというワイナリーの中は温度も低温になり、ますます発酵が進まない状態です。昨年同様、年内は発酵がスタックし翌春から再開し始めました。19年で使用した新樽とはタイプの異なる樽を使用し、より果実の風味が強調できるよう改良しています。9カ月目に新樽から古樽へ移動し樽香が過剰になるのを控え、12カ月目にタンクへ澱引きとブレンドを行いました。ブレンドは11月収穫のロットを中心に行い、25%程は10月初旬に収穫したロットを加える事でフレッシュな酸味とやや辛口にシフトしたバランスを考慮しています。そのまま低温で更に5カ月近くタンク貯蔵を行いました。5月になり昨年のモアル19よりも目が粗いフィルターを試しつつ、ろ過をおこないながらビンに充填しました。 |
¥6,600価格
消費税込み