プライベートリザーブ カベルネ・ソーヴィニヨン2020
2020 レビュー
Technical data ・・・・・・・・・・・・・・
品種構成 | カベルネ・ソーヴィニョン94% |
カベルネ・フラン6% | |
収穫日 | 2020年10/27-31 |
畑 | 生居畑 |
アルコール度数 | 12.5%vol. |
総酸度 | 5.0g/L |
pH | 3.90 |
樽比率 | 100%(新樽8%) |
生産本数 | 1684本 |
クロージャー | DIAM10 |
瓶詰日 | 2021年12月8日 |
発売開始日 | 2024年1月9日 |
Wine Story ・・・・・・・・・・・・・・・・
秋雨が少なく山形へ台風が一度も来なかった20VT。全ての品種の熟度が高く収穫されたなかで、特にカベルネは質量ともに最大級でした。当時、4か所あったカベルネ畑を畑ごとに仕込んだ最初のVTです。それぞれ異なるキャラクターの原酒の中で、極めて濃厚かつカシスのフレーバーが顕著に表れた畑が生居畑産のカベルネでした。約1年の樽熟成期間に構造は洗練され、いざブレンドを決めようとトライアルをしても他の畑の原酒を拒むような意思を感じました。そこへ同じ生居畑産のフランの原酒をブレンドすると、何とも軽やかな華と新鮮さが加わったことで理解しました。真意は【生居畑だけでVTを表現させて欲しい】。瓶詰めから2年の熟成期間を経ても若々しい勢いがあります。カシスリキュールやプラムの果実由来の風味が支配的で、ミントの清涼感、杉の清々しさ。滑らかで細かいタンニンは友好的で、口の中を刺激しません。抜栓から日が経つにつれ香りが開き、樽由来のバニラやロースティなモカのニュアンスも感じ取れるでしょう。これは至極色した風土のエッセンス。稀有な年のみが到達しうる、ここ上山産カベルネを体現するに相応しいワインとしてプライベートリザーブとしました。
Technical Supplements ・・・・・・・・・・
植樹から3年目の若木を中心に非常に熟度の高いカベルネが収穫されました。熟度の高さは色の濃さ、Brix糖度から見ても明らかで、たった一粒の風味で口中に香りが広がり喉が焼けるような濃厚さでした。一晩冷却後に除梗破砕し、さらに人力で細かく軸を取り除く事で純度の高い粒がタンクへ投入されました。酵母はその日のうちに添加され、発酵が本格的に始まるまでの3日間が低温浸漬期間です。26日目にプレスを行いFREEとPRESSで分けて貯蔵し別々の樽へ分注しています。MLFは翌春に始まり、約一ヶ月を掛けて終了しています。その後は樽を低温で管理しています。ブレンドを試行錯誤する11月頃、過去最もカベルネの原酒が多い20VTは特に時間がかかりました。結局この年のカベルネは3種類に分けられ、その中でも特に上級キュベとしてブレンドされたものがプライベートリザーブとしています。ほんのわずかにブレンドされているフランの個性がキラリと光る味わいです。2023.11でも、紫の濃い色合いですので、まだまだ熟成できるポテンシャルを秘めています。