メルロ2017
冷涼な気候を反映した
スパイシーで野趣味のあるメルロ
2017年 レビュー
冷涼な気候を反映した
スパイシーで野趣味のあるメルロ
Technical data
◆品種構成 メルロ87%、カベルネ・ソーヴィニョン8%
カベルネ・フラン5%
◆収穫日 2017年10月10~18日
◆畑 楢下畑、マサル畑、水上畑(スマート
・マイヨルガー、一文字短梢、樹齢7~8年)
◆アルコール度数 10.3%vol.
◆総酸度 5.4g/L(酒石酸換算)
◆pH 3.90
◆樽比率100%(古樽中心)、12ヵ月熟成
◆生産本数 3700本
◆クロージャーコルク(DIAM10)
◆瓶詰日 2019年1月29日
◆発売開始日
Wine Story
長年見守ってきた最高樹齢のメルロの収穫は16年が最後でし
た。17年からは新生メルロのブレンドになります。樹齢も上がり、
栽培方法もヴィンテージ毎でレベルアップしてきた期待のメルロ。
17年は酸味を基調にしたメルロが軒並み収穫できた年です。ブド
ウの状態は健全そのものでしたので、何とか長所を活かしなが
ら、短所も良さの一部として伝えられないか模索しました。軽めの
酒質に合うような香り、抽出、樽の選択を心がけ、無理のない気
軽に飲める日常ワインをイメージしています。
フレッシュかつ軽快な味わいは、冷温~常温まで温度帯を気にせ
ずゴクゴクと飲めてしまいそうです。赤身の多い肉やゴボウなど
の根菜、フキノトウなどの山菜との相性が抜群です。
Technical Supplements
長雨に不安な毎日でしたが、メルロは持ちこたえてくれました。ワイナリーでさらに選果
し、除梗した後に破砕することがセオリーですが無破砕で醸しました。グリーンな印象を極
力避けるため、機械で取り切れない果軸は人力で全て取り除く、狂気の沙汰。黒い粒が
煌めくタンクへ吸い込まれそうになりながら、旨くなる確信のため必死に行いました。その
後も粒を潰さないように醸しながら、短所となる部分の抽出を抑え、良さを活かす為に管
理を行いました。古樽を中心に熟成し、新樽熟成のカベルネをわずかにブレンドする事で
樽負けした軽めの赤になる事を回避しました。瓶詰から1年後、手の掛かったワイン程カワイイという名言を体感しました。