Private Reserveシャルドネ2017
[シャルドネ]
全国的な栽培例の多さから、見落とされがちですが山形県はシャルドネの一大生産地です。じつは大変古くから、かみのやまで栽培されている品種です。
現在(2021.4)は合計で0.9㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。礫の多い赤土が主体の植ノ山畑(0.5㏊)と粘土質が混ざる赤土の生居畑(0.4㏊)の2か所の畑から安定して収穫されます。
シャルドネには特徴的な風味がなくニュートラルであることから【風土を映し出す鏡】とまで言われます。
【かみのやまの風土】を一番わかりやすく体感できるようなワインに仕上げています。
《Private Reserveシリーズ》
特に良質なブドウが採れた時にのみ醸造される、ウッディファーム&ワイナリー最上級シリーズ。
2017レビュー
Technical data
品種構成 | シャルドネ100% |
収穫日 | 2017年10月3~5日 |
畑 | 植ノ山畑(一文字短梢、樹齢9年) |
アルコール度数 | 11.4%vol. |
総酸度 | 6.2g/L(酒石酸換算) |
pH | 3.70 |
貯蔵 | 樽100%(内新樽率15%)、12ヵ月熟成 ブレンド後ステンレスタンク貯蔵、3ヵ月熟成 |
生産本数 | 1,300本 |
クロージャー | コルク(DIAM10) |
瓶詰日 | 2019年1月16日 |
発売開始日 |
2020年5月 |
Wine Story
2017年は厳しいヴィンテージながら、シャルドネに関しては過去もっとも良質でした。熟すにつれて酸味が落ちていくのが通常ですが、高い酸をキープしたまま完熟した稀有な年です。
世界的にも良く見る品種ゆえ、何をもってシャルドネと為すかが醸造の解釈に委ねられます。山形のシャルドネの魅力は何といっても綺麗な酸味。他の産地の何所にもない個性を活かし、熟成してさらに魅力が増す白ワインになる可能性がある。それを自信をもって提案できるトップキュベです。
古樽を中心とした緩やかな酸化熟成でシャルドネ本来の味わいを、ブレンド後の冬期間のステンレスタンク熟成で焦点を絞り込み鋭角さを生み出しました。時間を掛ける事でしか生まれない気品があります。瓶底には酒石酸の澱がありますので、抜栓前は立てて置くことをお勧めします。今後の瓶熟も期待でき、さらに円熟したコクと旨味が生まれる事でしょう。
Technical Supplements
同じ植ノ山畑でも場所により熟度が違います。収穫時から良質と思われるシャルドネを選果し、除梗破砕しスキンコンタクトしてから搾汁しました。また全房プレスでも搾汁しています。果汁の時点で別格の旨さを感じました。後はブドウを信じて、古樽中心の発酵熟成期間は12カ月にも及び今までの最長です。またブレンド後もさらに時間を掛け、延べ15カ月にも及びシャルドネの味わいの神髄を探りました。ここまで貯蔵できたのもブドウのパワーが並外れて高かった為です。瓶詰後もリリースまでしばらく置いたかいもあり、味わいに妖艶さと気品がさらに凝縮しています。山形のシャルドネの新しい側面を見れます。