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ソーヴィニヨン・エフェメラル2020

ソーヴィニヨン・エフェメラル2020

[ソーヴィニヨン・ブラン]

上山では栽培例の非常に少ない品種です。

現在(2021.4)は合計で0.6㏊の畑を一文字短梢栽培で管理しています。ワイナリーから程近い植ノ山畑(0.2㏊)と生居畑(0.4㏊)の2か所の畑には、それぞれ性格の違うブドウが実ります。礫の多い赤土が主体の植ノ山畑は、比較的早熟で黄色く完熟したブドウが実ります。粘土質が混ざる赤土の生居畑は、1週間ほど遅れての収穫期。緑色~黄色になりかけたフレッシュなブドウを多く実らせます。

2種類あるソーヴィニヨン・ブランのワインは、このような畑の個性の違いを反映させています。

【かみのやまの爽やかな風】を連想させるワインに仕上げています。

Technical data・・・・・・・・・・・・・

 ◆品種構成 ソーヴィニヨンブラン87%・プティマンサン10%・シャルドネ3%

◆    収穫⽇ 2020年9/14〜16、11/17

◆    畑 ⽣居畑、植ノ⼭畑、原⼝畑

◆    アルコール度数 11.8%vol.

◆    総酸度 6.2g/L

◆    pH 3.50

◆    樽⽐率 100%(新樽0%)

◆    ⽣産本数 1,183本

◆    クロージャー DIAM10

◆    瓶詰⽇ 2021年5⽉17⽇

◆    発売開始⽇ 2023年10⽉10⽇ 

 

Wine Story・・・・・・・・・・・・・・・

コロナ過で【あたりまえ】だった事が制限された2020年。追い打ちをかけるような7月の豪雨は最上川を決壊させ不安のまま過ぎていった。しかし梅雨明け後には晴天に恵まれ、山形には一度も台風が近づくことなくVTを迎えた。たわわに実るブドウ、生活環境の変化はあれど素晴らしい状態で私達の手の中にある。見通しの立たない世の中でも、また皆でマスク無しで会食できる日まで貯蔵できるワインを醸すことを念頭に収穫コンテナを満たしていった。

ソーヴィニヨンブランの代表的な香りが溌溂として陽気な柑橘類からくる【動】ならば、対照的な【静】のアプローチを採用した。一般的には早飲みと称される酒質では、みんなで飲める時が何時になるか分からない場合は採用できない。当時に託した思いは23年にリリースできると判断した。当時の思いも、行動も過ぎてしまえば段々と薄れていくのを感じる。ワインは静かながら、【静】のみが醸しだせる熟成香と、感情を思い出させてくれる。

 

Technical Supplements・・・・・・・・・

2020年7月に山形を襲った線状降水帯は一級河川【最上川】を決壊させ、上山も市中心の川がオーバーフローし冠水しました。世情も踏まえVTへの不安はますます高まる中、8月以降は晴天に恵まれ台風もなく私達は期待の方が大きくなっていました。実は20VTはSBへの笠かけは行なわず、雨に対し無防備なままだったので無事に収穫を行えたのはVTのお陰でした。特に熟度の高い生居畑のSBを中心に全房で搾汁し軽めのデブルバージュ後は古樽へ移し、市販酵母と野生酵母を使い分けながら発酵管理を行いました。MLF完了後しばらくして、樽から澱引きしプティマンサンとシャルドネをアッサンブラージュし再び樽へ戻して亜硫酸を添加しています。翌春、再び澱引きを行い最終ブレンド後に樽へ移動し亜硫を添加しています。ワイン用ブドウの中では比較的タンパクの多いSBは通称【ベントナイト食い】と呼ばれ、清澄するには難儀します。特に無濾過無清澄剤のウッディでは清澄までの過程で澱引きを繰り返すことで達成しました。派手なエステルは無く穏やかですが、時間を掛けて花開く熟成型のワインです。

¥3,300価格
消費税込み
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